MarkLevinson No.326S avcat製品レビュー

 代理店サイト:http://www.harman-japan.co.jp/products/marklev/ml_no326s_320s.htm
 メーカーサイト:http://www.marklevinson.com/products/overview.asp?cat=pre&prod=no326s
 文章は下手ですが、評論家を気取って、自分なりのレビューを簡単に書いてみました。
できるだけ、分かりやすい表現を使うように心がけたつもりですので読んでいただけたらと思
います。
 また、あくまで、一個人の意見としての扱いをお願いします。
 さらに、新製品であるため、エージング不足の可能性は高いと思われますので、その点を
加味していただけたらと思います。

<レビュー>
1. 非常に音質的に性能が高い。
  「音質」という要素を構成するであろう、解像度、定位、バランスどれをとっても、非常に優
 れたプリだと思いました。
  特に、解像度に関しては、このCDにこんな情報が入っていたのかと改めて気づかされるこ
 ともあり、32Lを含めて、プリアンプの中でも本当にトップクラスだと思います。
  定位に関してもボーカルは寸分の狂いなく口元を表現しており、楽器類に至っては、音が
 にじむことが一切なく、そこにあるべき位置にあるべきような定位が得られます。
  バランスも低域から高域まで至極フラットで、曖昧なところは微塵も感じさせない凄みがあり
 これほどの精度は他のプリではなかなか得られないように思います。

2. 音が非常に速い。
  音の立ち上がり、立下りが非常に高速で、最初の音に後からくる音が埋もれるようなことが
 一切ありません。音が埋もれないことが、解像度を押し上げる原因となっていると言って間
 違いないと思います。
  そのため、低域が膨れるような傾向は微塵もなく、非常に締まった傾向が得られているので
 はと思います。

3. 音の立下りが速いため、余韻が不足する傾向にある。
  この辺は、多くの現代アンプに見られる特徴の1つかも知れませんが、音の立下りが速いた
 め、余韻が不足する傾向にあり、音全体に潤いが不足しているように感じられるます。この点
 が自然な音づくりにつながっていと思うのですが、逆に、音が乾き過ぎていて、聞いていて
 つまらなく感じてしまうことがあります。しかし、聞き疲れするようなことはない、聞きやすい音
 は簡単に得られそうです。

4. 音の色付けがほとんど無い。
  このプリアンプが「レビンソン」である!っということの証となっているのが、なんと言っても、
 音の色付けが全く無く、素直なことでしょう。ジェフのような煌きもなければ、エアーのような
 やさしさもなければ、ムンドのような切り込みの良さもなければ、なにもないというと言い過ぎか
 もしれませんが、そう言っても過言ではないと思います。この点においては、380SLより断然、
 色付けがないという言い方をすると、程度が分かりやすいでしょう。そういう点では32Lに非常
 に近いものがあります。
  通常、音の色づけは、プリアンプで行うものとの理解と常識を覆す程で、パワーアンプの理
 想の音を持ったようなプリというのがいい表現かもしれません。
  これは、おそらく、一番評価の分かれるところで、DACやトランスポートが色づけを持ってい
 て、その色づけを生かしたいようなケースには最適な選択となるでしょうし、DACやトランスポ
 ートの音にプリで色づけをしたいと思っているケースには全く不向きのプリです。良く、究極
 な音は、CDの情報をそのまま出した、色付けのない音と言われることもありますが、まさにそ
 の理想を追求するには、最適といえるでしょう。
  また、音が乾いていて、自然なことが、なおさら、色付けの無さを助長していることもあると
 思われます。
  しかし、実際、そのような理想的な音を聞いたときに、果たして、「いい音」と聞こえるかは、
 また別の次元でして、音色という面では、色づけがないというある意味理想的ではあるもの
 の、聞いていて面白みを感じないのは、自分だけでしょうか?
  はっきりいうと、DAC、トランスポートに色づけがないと、相当つまらない音になる危険性を孕
 んでいると個人的には感じます。

5. 音の線が細い。
  これは、定位がいい事と結びつくのかもしれませんが、歴代の38SLや380SLと同様、音の線
 が細いのです。
  上記に挙げたように、いい言い方をすれば、フラットバランスということだと思いますが、悪い
 言い方をすれば、中域に厚みがないということになるかと思います。
  この点については、380SLと一番拮抗しているところであり、32Lと一番違うところだと思いま
 す。

6. 高域の歪みが少ない。
  これは、自然な音づくりの一端を担っていると思いますが、高域がぎらついたり、派手になっ
 たりすることがなく、380SLと比べて、中高域に安定感を与えている主因となっていると思いま
 す。そういう意味では、380SLよりも、中域に厚みがあるような印象を与えることはありますが、
 上記5で述べたとおり、もともとの音づくりが細い点では、差は少ないと思います。

7. 透明度は今ひとつ。
   線が細いので、一見、空間の透明度が高いように感じることはありますが、音自体の透、
 明度はさほど高くないと思います。これは、音に潤いがあまりないということが原因かもしれま
 せんが、解像度を突き詰めた祭に、音数が増えてくることによる情報の多さの裏返しと言える
 かもしれません。

8. 音場感、奥行き、立体感は消極的。
  この辺は、プリの影響よりも、聞いた部屋の環境にも大きく左右される点であり、一概には言
 えないのですが、奥行きや立体感を積極的に表現しようとする音づくりではないように思いま
 す。CDにあるがままの音が、ある意味平面的に出てくるという言い方が正確かと思います。

まとめ
  プリとしての「音質」に関する性能は非常に高いものの、「性能が高い音」といい音とは別
 次元であるということを再認識させてくれる機械だと思います。色づけがない「音色」は、評価
 が分かれるところであり、DACやトランスポート(プレーヤー)の音やケーブルの支配が強く
 なることが予想されます。
  プリに特徴的「音色」をもとめるのではなく、解像度等の「音質(性能の高さ)」を求めている
 場合に最適なプリといえると思います。きっと、CDに埋もれていた情報にハッと気づかされる
 こととでしょう。

<試聴環境>
 場所: ダイナミックオーディオ5555 4F (URL
 使用機材:
  MARK LEVINSON NO390SL \1,350,000
  ARK LEVINSON NO436L(2:) \2,300,000
  SPEAKER WILSON AUDIO SYSTEM7: \3,600,000
  Cable: すべてSILTECHで統一。

 場所: SIS (URL
 使用機材:
  AVALON Diamond…….\4,500,000
  JEFF ROWLAND MODEL 501…..\1,340,000
  Dcs Verdi La Scala…..\2,080,000
  Dcs Elgar Plus 1394…..\2,080,000